急傾斜地崩壊危険区域に指定されていても売却は可能です。
ただ言葉に「急傾斜」「崩壊」「危険」とネガティブワードがあり誰でも購入を躊躇してしまいます。
知識を持ち正確な説明ができないと売却価格が下がってしまいます。
急傾斜地崩壊危険区域とは?
急傾斜地崩壊危険区域は、都道府県知事が崩壊するおそれのある急傾斜地(傾斜度30度以上の土地)で、その崩壊により相当数の居住者その他に危害が生じるおそれのあるもの及びこれに隣接する土地のうち、当該急傾斜地の崩壊が助長され、又は誘発させるおそれがないようにするための行為の制限する必要がある土地を指定します。(急傾斜地法3条)
神奈川県の場合は、次の3つ全てに該当する急傾斜地を急傾斜地崩壊危険区域として指定することが可能です。
- 傾斜度が30度以上あるもの
- 高さが5m以上あるもの
- がけ崩れにより、危害が生じるおそれのある家が5戸以上あるもの、又は5戸未満であっても、官公署、学校、病院等に危害が生ずるおそれのあるもの
急傾斜地崩壊危険区域の土地規制
次の規制等があります。
- 急傾斜地崩壊危険区域内で行う、切土、盛土、立竹木の伐採、工作物の設置等、法で定められている制限行為を行う場合は、都道府県知事の許可が必要となります。(急傾斜地法7条)
- 急傾斜地崩壊危険区域内の土地の所有者等は、がけ崩れが発生しないよう努めなければなりません。(急傾斜地法9条)
- 制限行為の行われた土地の所有者等に対し、都道府県知事は改善を命令することができます。(急傾斜地法10条)
- 土地の所有者等が、急傾斜地崩壊防止施設(以下「防止施設」という)を整備することが困難と認められる場合は、都道府県が土地所有者等に代わり、防止施設を整備することができます。(急傾斜地法12条)
さらに土地売買契約の際には、宅地建物取引業法の規定により、区域内の土地・建物の売買等については「急傾斜地法に基づく制限がある旨」を重要事項説明することが義務付けられています。
横浜市の急傾斜地崩壊危険区域
横浜市の急傾斜地崩壊危険区域のうち高い割合で崩壊防止工事を行っています。
横浜市内の指定箇所694件
内工事着工675件、未着工19件
この他に指定されていない箇所が222件あります。指定されておらず崩壊防止工事を行っていない箇所の方が崩壊などの危険性があると思います。(平成28年3月31日時点)
保土ヶ谷駅周辺を調べてみると
例えば、JR横須賀線「保土ヶ谷」駅周辺を調べてみたのが下の地図です。
地図の中心を保土ヶ谷駅にしていますが、青色の部分が急傾斜地崩壊危険区域でこんなに指定されています。
住んでいる住人も知らないかも知れませんね。 (神奈川県土砂災害情報ポータルから)